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輸入ワカメの増加〜消費拡大のチャンスを
 海に囲まれたわが国では、昔から好んでワカメを食べてきた、今でこそ科学分析の進歩によりワカメの栄養素が解明されたが、人々は昔からワカメを食べることが体のどこに良いか、すなわち健康面における効能を、生活の知恵として体で覚えてきたのだ。
 ここ数年、機能性食品として海藻がマスメディアによって注目を集めている。中でもワカメは、定番食品として需要が着実に伸びてきたが、それと同時に中国産の輸入も年々増え、国内産を脅かす存在になっている。

 ワカメの養殖は、1935年ごろに当時日本の植民地であった中国の大連で、宮城県鹿島台村長(当時)鎌田三之助氏の子息である大槻洋四郎氏が世界で初めて成功し、わが国では戦後の1952年に同氏によって宮城県女川町小乗浜でスタートした。戦前、中国東北部では甲状腺(せん)の病気が多く見受けられ、ヨードを豊富に含むワカメが注目されていた。また、中国に進出した日本軍への食料供給の目的から養殖が始められたという。ワカメは、日本列島から朝鮮半島、ロシア沿岸州、中国の遼東半島にわたるアジア極東地域に植生し、これらの海域に面している地域で、広く流通し、消費されている。近年、欧米人は長寿を誇る日本人の食生活に強い関心を寄せており、中でもワカメが注目を集めていて、年々その需要は増えている。

 最近、輸入品の増加に危機感を抱いた全国漁業協同組合連合会(全漁連)など生産者団体や、自民党の農林水産部会と水産総合調査会が、ワカメを対象にしたセーフガード(緊急輸入制限)の発動を相次いで政府に申し入れた。

 ここで疑問に思うのは、全漁連など生産者団体は輸入ワカメについて果たして正しい情報を把握しているのかということだ。国内の消費が伸びている一方で、なぜ三陸など国産ワカメの消費量が減少しているのか。現実を直視すべきである。実際、消費者の声として「中国産は緑鮮やかで美しく、柔らかでおいしい」とも聞く。世代によって好みは多様化し、おいしさの基準も.変化しており、ただ単に価格が安いからという理由だけとは言えない。

 生産者団体は輸入ワカメの増加を危機とせずに、消費拡大の機会ととらえるべきだ。例えば1月から四月までの旬の時期には、ワカメを生鮮品として食べるように積極的にPRするなど、知恵を出す必要がある。それと同時に、国産内ワカメを欧米向けの輸出品として、積極的に推進してはどうだろうか。消費者の観点からすれば、輸人ワカメの増加などにより選択肢が多様化すれげワカメを楽しんで食べる機会も増え、それによって国民の健康増進につながることになれぱ幸いである。

 国民や市場のグローバル化が進んでいる今、もしセーフガードが発動されることになれば、国際化推進の妨げになることは確実であり、そのことを多くの人々が危ぐしている。
 セーフガードの発動については、生産者団体と政府との議論にとどまらず、消費者である国民も参加して大いに議論を重ね、それをおいしいワカメを食ぺてもらう絶好の機会にするべきである。
文:シーフーズあかま代表取締役社長 赤間廣志
※2001年4月6日 河北新報掲載
 
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