松島湾は太古から海の幸に恵まれ、特に海藻は豊富で、昭和53年(1978年)までは全国屈指の海苔の生産地でした。ここ10年は海苔に代わり、わかめと昆布の養殖が盛んに行われています。
どの浜でも一番おいしいわかめが採れる!?
三陸の各浜を歩くと、わかめはオラが浜が一番と異口同音に聞きます。一面ではその通りなのですが、一つの浜のすぺてのわかめが一番とはいえません。オラの浜のいつごろの潮回りのわかめが一番というのが正しく、このことからも、三陸の各浜に旬一番のわかめのあることがおわかりいただけるでしょう。どの浜のいつごろのわかめが旬であるかを知っていれぱ、2月から4月までおいしい旬の地わかめを賞味し楽しむことができます。
塩分量をチェックしましょう わかめ屋さんは、皆さんにわかめをたくさん食べていただくために工夫を凝らします。例えぱ、加塩です。塩を加えて常温での保存性を高める、塩を多く加えてわかめの量を多く見せる。この場合、皆さんが購入する際に注意してほしいことは、塩分が何%であるかということです。普通、冷蔵保存の場合は塩分が27%あれば問題なく、いまどき冷蔵庫はほとんどの家庭にありますから、わかめを購入する時は数値が27%に近い塩分かを記載確認して下さい。
わかめは産地表示で売る
わかめ商品のロゴやキャッチフレーズに注目します。「一番刈り」とか「早採り」、あるいは「新物」など、時期を表すもの。「三陸産」とか「鳴門うず潮わかめ」、あるいは「岩手産」というように、産地を表現したり消費者の関心を集めようとするものなどがあります。日本のわかめは岩手・宮城のいわゆる三陸と鳴門地区が主産地で全国生産量の65%を占めており、このことからも産地表示でわかめを売り込もうとすることがわかります。
また、産地表示でもズバリ、浜の地名を表している商品もあります。当然、産地を知ることも購入の目安になりますが、大事なことは記載表示内容と商品そのものが異なっていないかを確認することなのです。このことをぜひ覚えておきましょう。
良いカットワカメとは?
わかめ商品の形態は、素干しわかめからはじまり、ボイル塩蔵わかめへと移行し、これからは乾燥カットワカメが普及し主流になろうとしています。そこで、カットワカメの善し悪し・選び方を教えます。コップに水を入れ、その中にカットワカメを指でひとつまみ入れます。わかめが水を吸い、葉が開きます。葉の開く速度が早ければ早いほど、品質の良いわかめといえます。
やっぱり生がおいしい!
最近、芽株(塩釜では耳)の加工技術が進歩し年中賞味することができるようになりました。しかし、加工技術や保存技術が進歩したとはいっても、旬の生わかめを家庭で料理した味ほど格別なものはありません。これは、魚・野菜などすべての食品素材に共通することと考えますが、いかがでしょう。褐色に輝くわかめ、真水で軽く洗い流し熱湯に通し、緑色に変わったなら速やかに水で冷やして出来上がり。あとはお好みの方法で召し上がる、といった具合です。
3月春は名のみ冷たい海、その海と養殖漁業者の創り出すわかめ、産地に位置する塩釜はふんだんに旬のわかめを味わえます。また、塩釜は三陸でも屈指の昆布産地、昆布もぜひたくさん食べて下さい。
わかめ刈り豊かな海の便りかな
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